肝炎とは肝臓が炎症を起こし、肝細胞が破壊されてしまう病気です。原因として、肝炎ウイルスの感染、アルコールの過剰摂取、肥満など、様々な原因で起こります。急性肝炎と慢性肝炎に分けられており、急性肝炎は6ヶ月以内に落ち着くものをいい、6ヶ月以上の期間持続する肝炎を慢性肝炎といいます。慢性肝炎で軽い肝炎が長期に続く場合、症状はあまり認めず、肝機能の約30%まで低下しても自覚症状が出にくいという特徴があります。
慢性肝炎が10年、20年あるいはそれ以上続き、肝臓に線維(コラーゲンなど)が蓄積し、肝細胞が再生する力を失うと肝機能が低下してきます。こうして肝硬変に進行します。慢性肝炎では皮膚のかゆみを伴うことがあります。炎症が強い場合には倦怠感を認めることがあります。急性肝炎で短期間に炎症が起こる場合は、発熱、のどの痛み、頭痛、体のだるさなど、かぜのような症状を認めることがあります。食欲低下、吐き気、腹痛を感じることもあります。
また、血液中のビリルビン濃度の上昇により、黄疸が出現し、皮膚や白目の部分が黄色くなったり、尿が濃い茶色になったりすることがあります。皮膚に発疹がみられることもあります。劇症肝炎(急性肝不全)は、肝臓の機能が急激に低下し、意識障害などの重篤な症状が現れます。全身の臓器に障害を起こしやすいため、肝臓に対する治療だけでなく、呼吸や循環などの全身的な管理が必要になります。